住宅ローンを滞納したら

収入の減少、ボーナスカットやステップアップローンなどの理由により、住宅ローンの支払でお困りの方、滞納してしまっている方も少なくないでしょう。
そのような場合、対策方法は大きく分けて2通りあります。
1つは返済方法を見直すこと、もう1つは自宅の任意売却です。
住宅ローンなど債務の返済方法を見直し・変更することを、リスケジュール(以下リスケ)と言います。
ローンを借りた銀行など金融機関は、返済に関する相談を電話や店頭の窓口で受付しています。
リスケには様々な方法があります。
例えば、
・返済期間を延長し、毎月の返済額を減らす
・ボーナス時の返済額及び月々の返済額のバランスを見直す
・一定期間返済額を減らし、その後に減額分を上乗せする
リスケの方法の中には、金融機関によって取り扱いができないものもあるので、詳しくは金融機関に相談してみて下さい。
尚、リスケは「現在は返済が遅れているが、リスケをすれば返済を続けられる」「いずれまた元通りにきちんと返済できるようになる」方が使える手段といえます。
一度リスケをすれば、原則的にそれからは滞納することはできません。
リスケ後に返済を滞納してしまうと、ただちに「期限の利益」を失い、残額の一括返済を求められますので、くれぐれも注意が必要です。
収入の一時的な落ち込みや、他の出費がかさんだ等の理由で、一時住宅ローンを滞納してしまった場合は、リスケによって乗り切ることができるかと思います。
しかし、失業により再就職先が見つからない、再就職したが年収が以前より大幅に少なくなった等、家計の収入状況が変わってしまい、これまで通りの住宅ローン返済が不可能になってしまった場合はどうでしょうか。
このような場合、リスケをしても一時しのぎにすぎないですし、金融機関に相談しても、世帯収入に対する住宅ローン返済額の割合が大きくなりすぎ、リスケを認めてくれない可能性があります。
こういった場合ですと、親や兄弟、知り合い等で援助してくれる人がいなければ、いずれ住宅ローンは破綻してしまう可能性が高いでしょう。
住宅ローンが破綻してしまうと、貸主である金融機関は住宅ローン契約時と同時に保証契約を結んだ保証会社や保障組合に、住宅ローン残高の一括返済を求め、保証会社や保障組合が金融機関に代位弁済することで住宅ローンの債権は金融機関から保証会社等に譲渡されることになります。
そして、保証会社はローン債務者から債権を回収するため、住宅を競売にかけます。
競売で住宅が落札されると、売却代金は債務の返済に充てられ、住宅ローンの残高(滞納中の金利、遅延損害金を含めた額)よりも高く落札されない限り、住宅所有者(債務者)は1円も受け取れず、家から出ていかなければならなくなります。
このように、住宅ローンを滞納してしまえば、行き着く先は競売による自宅の強制売却と退去です。
ただし、競売を回避し、自分の意思で家を売却することで住宅ローンを精算する方法があります。
それが任意売却です。