Q&A
Q.夫が離婚に応じてくれそうにありません。どうしたらいいでしょうか?
A.協議離婚において相手方が応じてくれそうにない場合には、弁護士等の代理人を立てて交渉をすることもひとつの方法です。
当事者の協議では合意の余地がない場合でも、弁護士が仲立ちすることによって合意が形成される可能性もあるからです。
相手方が交渉の席にすらついてくれない等、交渉が難航する場合、家庭裁判所に夫婦関係調整調停(離婚調停)を申し立てることもできます。
離婚調停では、家庭裁判所から相手方に対して、呼出状や場合によっては出頭勧告を出してもらえます。
また、離婚調停では、第三者である家事審判官および調停委員が、当事者双方の言い分をよく聴き、離婚するかしないかだけではなく、財産分与・慰謝料・親権者の指定・子どもとの面接交渉など離婚に伴う問題を含め、当事者が合意に至るよう妥協点を模索してくれます。
離婚調停においても当事者が合意に至らない場合には、家庭裁判所が当事者双方の申立の趣旨に反しない限度で、独自の判断で離婚を宣言してくれる場合もあります(審判離婚)。
この場合も、財産分与・慰謝料・親権者の指定・子どもとの面接交渉など離婚に伴う問題について、家庭裁判所に決定してもらえます。
さらに、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することもできます。離婚訴訟では当事者の合意の存否にかかわらず離婚が認められますが、離婚が認められるのは、法定の離婚原因がある場合に限られます。
Q.子どもが18歳(高校卒業)になるまで養育費を支払ってもらうよう取り決めをしましたが、22歳(大学卒業)まで期間を延ばすことはできますか?
A.養育費について取り決めをした場合でも、その後の事情の変更があれば、月々の養育費の額を変更したり、期間を延長したりすることはできます。
この場合、相手方との話し合いで増額や期間延長に応じてもらえれば話は簡単ですが、その場合でも支払が滞った場合に備えて、公正証書にしておくことがよいでしょう。
話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に対して、養育費の増額や期間延長を求めて調停を申し立て、それでもまとまらない場合には裁判所の審判で決定されます。
養育費の取り決め後に、裁判所から「増額」や「期間延長」を認めてもらうためには、取り決めた内容を維持することが不相当と認められるような事情変更があることを示さなければなりません。
お子さまの大学への入学・進学や病気・けがといった事情などは、新たな出費が必要となる事情変更の典型例です。これらの事情をうまく示すことで22歳(大学卒業)まで期間の延長が認められる可能性もあります。