慰謝料とは
慰謝料とは、精神的な苦痛を与えた者に対する損害賠償です。
離婚の場合の慰謝料は、離婚原因である有責行為(不貞、暴力など)をした者に対する損害賠償請求です。
「暴力をふるう」「浮気をしている」など、どちらに責任があるかは明瞭ですが、「性格の不一致」「信仰上の対立」「親族との折合いが悪い」などについては、どちらに責任があるかという判断が難しく、一方に責任があるとしても、きっかけをつくったのは相手の態度にも原因がある場合が多く、慰謝料の支払義務が生じない場合が多いと考えられます。
また、そうした場合には双方の責任の程度の割合によって慰謝料が決められます。
しかし、一般的に見て、離婚の場合には、どちらか一方だけが有責であるということはそれほど多くはありません。
ほとんどの場合、双方に何らかの責任があるものです。
このように、「どちらか一方に離婚の責任があるとはいえない場合」「責任が同程度の場合」には、お互い相手に慰謝料を請求できません。
慰謝料の金額は、「離婚に至った原因行為の内容」「結婚の期間の長さ」「相手方の資力・収入」など、様々な事情を総合的に考慮し、決定されます。
慰謝料がいくらになるのかは、「あんなことがあった」「こんな事情もある」と第三者である裁判所に理解してもらえるような主張・立証ができるかどうかが重要です。
単純に辛かったと主張するだけでは説得力に乏しく、証拠が必要となります。
しかし、証拠を個人的に集めることは困難ですし、どのような証拠を集めればよいのかがわからないと思います。
裁判所にうまく事情を理解してもらえるよう有用な証拠や主張を組み立てるためには、個人ではどうしても限界があります。
一人で悩まず、専門家へのご相談をおすすめします。